嫌いなあいつの婚約者!?

「涼? どうしたの?」

 何も話さないでいると、向こう側から歩いてくる鈴華さんの姿が見えて、その目は涼の次に私を捉えた。

 こんな状況、気まずい以外ない。

「なあに? 桜さんどうしたの?」

「あ、いや……」

 彼女は涼の横を通りすぎて私の元に来た。

「涼に何か用?」

 氷のように冷たい声に、怯んでしまう。私の全てを受け入れないという意思がそこから伝わるようで、彼女の目を見ることが出来ない。

「あ、いや……その……」

「もう、婚約者じゃないのよね? あまり2人でいない方がいいと思うわよ。周りの目、気にならないの?」

「そうだよね、分かってるわ」

 反論できるはずもなく、この空気観に耐え切れなくなった私はこの場を後にした。