嫌いなあいつの婚約者!?

 主役だとは分かっていながらも、私は外に来た。外だったら、嫌なものも見えなくなるから。

 ベンチに座って一度大きく息を吐く。空を見上げると今日は星が出ていなくてグレーの空が続いていた。

 中はとても賑やかだけど、ここは中から聞こえてくる音が少し聞こえてくるくらいで後は静寂が支配している。

 その静寂が今は心地よい。

「はあ」

 何か、飲む物も一緒に持ってくればと後悔するけれど、もう一度あの空間に行ってここに戻ってくることを考えるとどうも面倒に感じて腰が上がらない。

 そのまま、星のない空を眺める。

「桜さま。どうしました?」

「ちょっと疲れたのよ」

「そうだと思いました。……これ、お飲みください」

 流石私のメイドだわ、と感心しながら飲み物を受け取る。