嫌いなあいつの婚約者!?

 サラダを食べようとした時、誰かの視線を感じてその方向に目を向けた。

 涼が、こっちを見ていた。だけど、目が合うとすぐに逸らす。

 ……もしかして、今の奏多さんとの会話が聞こえてしまった?

 って、別にいいじゃない。聞こえていたからってなんの不都合があるっていうの?

 そう思ってはいても、目が合った時の涼の顔が頭から離れなくて、だって何かを言いたくて苦しそうな表情をするから。そんな顔をしたら、心配になる。

 どうしてそんな顔をしているの? って問いたくなる。

 そしてその問いの答えを勝手に想像してしまう。

 本当は、僕が桜を誘いたかったんだ、って。

「だったら、言えばいいじゃない」

「なんのこと?」

「あ、ううん。ごめん。なんでもない」