高校に入学して約1か月、丁度ゴールデンウィークに入った頃に愛莉からLINEが届いた。


『優芽、久しぶり!連休中会えない?あすかも一緒に』




愛莉にも会いたいし、連休の予定も特になかったからすぐに了承のLINEを返した。






愛莉とは、幼稚園の頃から仲が良かった。




愛莉と私は正反対の性格で、愛莉は明るい性格、一方で私は根暗なタイプ。




なぜここまで仲良くなったのか。




そのきっかけは今思い出すと、単純なものだった。





愛莉との出会いは、幼稚園の年少のクラスで同じだったことだ。




持っていた水筒が当時流行していたキャラクターのもので、まったく同じデザインだったことがきっかけだった。




今考えると「そんなことで?」と思ってしまうが、幼稚園の頃は全く同じものを持っていたということがうれしいことなのだろう。





「そのすいとうあいりといっしょだ」



その時に初めて話しかけられたのだ。


しかし、幼少期も人一倍人見知りだった話はいきなり話しかけられたことに対して、驚いてしまった。






「ゆめちゃんもこれ好きなの?」



「…うん」




ようやく返事をした私に対して、愛莉はにこにこしながら「あいりといっしょだね」と声を掛けてくれたのだ。




それから、愛莉は毎回、私を遊びに誘ってくれるようになった。




それまで幼稚園での自由遊びの時間では、室内で一人で絵を描いているか、一人で絵本を読んでいた。



一人が良かったわけではなく、他の子たちと遊びたかったのに、自分から「入れて」と言えなかったのだ。



愛莉が誘ってくれるようになったことで、他の子たちとも話せるようになったし、自由遊びの時間が楽しくなった。






それから中学校まで同じ学校に通い、クラスは数回くらい離れることはあったが、ほとんど同じクラスで、同じ部活に入り、ほとんど一緒にいた。




愛莉は、いつも私のことを気にかけてくれて、私はとても感謝している。








きっと高校でも持ち前の明るさでうまくやっているんだろうな。









そして、『二日後、いつものショッピングモールで待ち合わせね』とLINEが送られてきた。





『了解』と返事をし、スマホの画面を閉じた。