相手の急所を蹴って逃げようかと考え始めたとき、「この子は俺の連れなので離してもらえますか?」と田川君がおじさんの腕をつかんだ。
おじさんは顔をしかめながら、私の腕をつかむ手の力を弱める。
その瞬間、私はおじさんから離れた。
「クソガキのくせに…」という言葉を吐きながら去っていった。
私は一気に体の力が抜け、地面にしゃがみ込む。
「怖かった…」
思わず声を漏らした。
「ごめんね、俺がはぐれないようにしていたらこんなことにはならなかったのに」
申し訳なさそうに言う田川君に対して「田川君のせいじゃないよ、それに来てくれ助けてくれたし」と返す。
スマホの時計を見ると、花火の打ち上げ開始まであと5分。
場所取りもしていないし、立ち見かなと思っていると
「佐々木さん立てる?穴場スポットがあるんだ」
そう言って私の腕をつかんで走り出した。
走っている途中に花火が上がり始めた。
花火を横目に見ながら走り続け、河原から少し離れた場所にある高台になっている公園に着いた。
この公園は町一帯を見下ろせるようになっていて、花火もきれいに見えた。
「きれい…」
「でしょ、ここなら人いないしきれいに見えるから絶対ここで見たいと思ってたんだ」
その言葉に続けて田川君が笑顔で「佐々木さんと見られて良かった」と呟いた。
その笑顔に一瞬鼓動が早くなったような気がした。
なんて返せばいいのかわからず、「うん…」と静かに呟いたけど、花火の音でかき消される。
今日、見た花火はきっとこれからもずっと忘れないだろうなと直感で感じた。
おじさんは顔をしかめながら、私の腕をつかむ手の力を弱める。
その瞬間、私はおじさんから離れた。
「クソガキのくせに…」という言葉を吐きながら去っていった。
私は一気に体の力が抜け、地面にしゃがみ込む。
「怖かった…」
思わず声を漏らした。
「ごめんね、俺がはぐれないようにしていたらこんなことにはならなかったのに」
申し訳なさそうに言う田川君に対して「田川君のせいじゃないよ、それに来てくれ助けてくれたし」と返す。
スマホの時計を見ると、花火の打ち上げ開始まであと5分。
場所取りもしていないし、立ち見かなと思っていると
「佐々木さん立てる?穴場スポットがあるんだ」
そう言って私の腕をつかんで走り出した。
走っている途中に花火が上がり始めた。
花火を横目に見ながら走り続け、河原から少し離れた場所にある高台になっている公園に着いた。
この公園は町一帯を見下ろせるようになっていて、花火もきれいに見えた。
「きれい…」
「でしょ、ここなら人いないしきれいに見えるから絶対ここで見たいと思ってたんだ」
その言葉に続けて田川君が笑顔で「佐々木さんと見られて良かった」と呟いた。
その笑顔に一瞬鼓動が早くなったような気がした。
なんて返せばいいのかわからず、「うん…」と静かに呟いたけど、花火の音でかき消される。
今日、見た花火はきっとこれからもずっと忘れないだろうなと直感で感じた。
