花火大会は7月の終わり、ちょうど終業式から一週間後だった。
前日の夜になり、浴衣の着付けを母にお願いするのを忘れていたことを思い出した。
そもそも小学生の時のものしか持っていないので、姉に借りるしかなかった。
姉の部屋に向かおうと廊下を歩いていると、ちょうど姉が部屋から出てきた。
「お姉ちゃん、明日浴衣貸してほしいんだけど…」
そう伝えると「別にいいよ」と快く承諾してくれて、すぐに部屋から持って来てくれた。
「それで、誰と花火大会に行くの?」
本当のことを言うと質問攻めにあいそうなので「愛莉とだよ」と適当に返す。
「浴衣ありがとね」とお礼を伝え、姉の部屋を出る。
リビングへ行き、洗い物をしている母に「明日、浴衣の着付けお願いしてもいい?」と話しかけると「自分から浴衣着るなんて珍しいね」と洗い物をしていた手を止め、少し驚いた顔で私を見る。
「花火大会に着て行きたいの」と伝えると「いいよ、でもヘアセットとかはできないから自分でやりなさいよ」と再び洗い物を始めた。
姉から借りた浴衣は白地に紫色の花がちりばめられているデザインで、やっぱり大学生だから大人っぽいの持っているなと思った。
次の日、母に着付けをしてもらった。
「あら、これ芽依のじゃない。言ってくれれば、優芽用の浴衣買ったのに」と言ってくれたけど、買ってもらってもほとんど着ないからな。
そしてあすかちゃんの家へ向かう。
あすかちゃんの家は私の家から二駅分離れた場所にあった。
私は方向音痴なので、たどり着けるか不安だったが、スマホの道案内を使って何とか到着することが出来た。
インターホンを押すと「待ってたよ、入って入って」と自分の部屋に案内してくれた。
家具は白を基調にされており、メイク用品などもきれいに並べられていて、私の部屋とは大違いだった。
「先にメイクしちゃおうか、ここ座って」と誘導されるまま椅子に座る。
「優芽はまつげ長いからマスカラはいらないね、とりあえずベースかな」と慣れた手つきで私の顔に化粧品を塗っていく。
そのまま、アイシャドウやアイライン、チーク、リップを塗られ、十分程度でメイクが完成した。
「優芽はもともと顔が整ってるから、薄めにしたよ」と鏡を渡してくれた。
鏡をのぞいてみると、いつもより顔が大人っぽく見えた。
「メイクなんて初めてしたよ」と言うと、「優芽は学校でもすっぴんだもんね、休みの日とかしてみたら?」と言われ、少し興味をもった。
「じゃあ、ヘアセットもやっちゃうね、じっとしてて」とまた慣れた手つきで編み込みをしていく。
五分もかからないうちにサイドが編み込みのアップヘアが完成した。
思わず「凄すぎ…」と漏らしてしまった。
あすかちゃんにお礼を言い、時間も時間なので待ち合わせ場所へと向かった。
前日の夜になり、浴衣の着付けを母にお願いするのを忘れていたことを思い出した。
そもそも小学生の時のものしか持っていないので、姉に借りるしかなかった。
姉の部屋に向かおうと廊下を歩いていると、ちょうど姉が部屋から出てきた。
「お姉ちゃん、明日浴衣貸してほしいんだけど…」
そう伝えると「別にいいよ」と快く承諾してくれて、すぐに部屋から持って来てくれた。
「それで、誰と花火大会に行くの?」
本当のことを言うと質問攻めにあいそうなので「愛莉とだよ」と適当に返す。
「浴衣ありがとね」とお礼を伝え、姉の部屋を出る。
リビングへ行き、洗い物をしている母に「明日、浴衣の着付けお願いしてもいい?」と話しかけると「自分から浴衣着るなんて珍しいね」と洗い物をしていた手を止め、少し驚いた顔で私を見る。
「花火大会に着て行きたいの」と伝えると「いいよ、でもヘアセットとかはできないから自分でやりなさいよ」と再び洗い物を始めた。
姉から借りた浴衣は白地に紫色の花がちりばめられているデザインで、やっぱり大学生だから大人っぽいの持っているなと思った。
次の日、母に着付けをしてもらった。
「あら、これ芽依のじゃない。言ってくれれば、優芽用の浴衣買ったのに」と言ってくれたけど、買ってもらってもほとんど着ないからな。
そしてあすかちゃんの家へ向かう。
あすかちゃんの家は私の家から二駅分離れた場所にあった。
私は方向音痴なので、たどり着けるか不安だったが、スマホの道案内を使って何とか到着することが出来た。
インターホンを押すと「待ってたよ、入って入って」と自分の部屋に案内してくれた。
家具は白を基調にされており、メイク用品などもきれいに並べられていて、私の部屋とは大違いだった。
「先にメイクしちゃおうか、ここ座って」と誘導されるまま椅子に座る。
「優芽はまつげ長いからマスカラはいらないね、とりあえずベースかな」と慣れた手つきで私の顔に化粧品を塗っていく。
そのまま、アイシャドウやアイライン、チーク、リップを塗られ、十分程度でメイクが完成した。
「優芽はもともと顔が整ってるから、薄めにしたよ」と鏡を渡してくれた。
鏡をのぞいてみると、いつもより顔が大人っぽく見えた。
「メイクなんて初めてしたよ」と言うと、「優芽は学校でもすっぴんだもんね、休みの日とかしてみたら?」と言われ、少し興味をもった。
「じゃあ、ヘアセットもやっちゃうね、じっとしてて」とまた慣れた手つきで編み込みをしていく。
五分もかからないうちにサイドが編み込みのアップヘアが完成した。
思わず「凄すぎ…」と漏らしてしまった。
あすかちゃんにお礼を言い、時間も時間なので待ち合わせ場所へと向かった。
