「それと、貴女はロベルさんとも親しかったわね」

「はい」

 この国の王子でもある攻略対象だ。彼とも友人として良好な関係を築いている。しかし話の流れからとても嫌な予感がした。

「彼は在学中も王子としての自覚を持ち、評判を落とすことなく立派に振る舞われていたわ。卒業をしたのなら婚約者が決まる予定だったというけれど、突然恋は真実の愛というものに目覚めたらしいの」

「真実の愛?」

「なんでも自由恋愛を掲げ出したとか。これまで国のために結婚することを当然と受け入れていた彼が、真実の愛は自分の手で見つけたいと言い出したそうよ。同級生の女性が非常に魅力的で、彼女のような女性を自分で見つけたいらしいわ。貴女のことよ。エリナ・フェブラリーさん」

「私ですか!?」

 初めて聞いたんですけど!

「悪い女性に誑かされたのではないかと、かつての教え子でもある国王陛下に問い詰められてしまったわ」

 ロベル!?
 何言ってるの!?

 仮に、仮に私のことだったとしてもだ。
 それ、私が悪いの!?
 真実の愛に目覚めるのは結構だけど、私を巻き込まないでくれるかな!