「そーいえばさ、愛未って好きな男の一人や二人くらいできたの?」


え、急になに!?アイス落としかけたじゃん。


「一人や二人ってどゆこと!?私は空来みたいに垂らしじゃないんやけど!!」


それに、作るわけないじゃん。

私は空来が…。


「わりー。でも、愛未だって可愛いんだからな?狙ってるやつも…」


「あ、アイス落ちそっ…って、ごめん何て言った?」


「なんでもねぇよ。」


なにアイツ~!
途中まで言ったなら最後まで言いなさいよ!


とか、言わないけどさ。


なんでそんな寂しそうな目をするの?

空来は何を考えているの?


私は空来のことで胸が押し潰れそうなのに、空来は違うの?


いや、違って当たり前だよね。


私たちは別人で、別々の人生歩いてて、何かを感じて何かを見てる。

そんなの、当たり前だよね。


ねぇ空来、私だけのお世話係でいてよ。

他の子と話さないでよ。
触れないでよ。


いつから私こんな醜くなったのかな?


彼に似合う人になろうって思っていたのに…。


空が茜色に染まりだし、雲が灰色がかる。
烏たちがアスファルトをつっついて、隣を歩くと飛び立って…、鳴き声が空にこだまする。

なんでもない日々が少し楽しくなる。


「俺らも、半年もすれば三年だよな。早いわぁ」


「空来おっさん臭い」


「なっ!…まぁ、でも、来年はクラスが一緒になれるといいな」


そうだなぁ…。他の女の子がちょっとうるさそうだけど。でも、きっと君と同じ空間にいるのは楽しそう。

君は人を引き付ける才能がある。きっと、これからも沢山の人で溢れてる。


でも、その中に私はいるのかな?

君の瞳に映りたい。