「総司」

「はい」

「人に心を開くことは、甘えとは違う
厳しい環境に身を置くことも修行になるだろうが…
おめぇは、誰より自分に厳しい
厳し過ぎる
出稽古は、勧めねぇな」

「俺、強くなりたいんだ!!!」

「総司の求める強さが何かしらねぇが…ダメだ」

「なんでだよ!!!」

パリーン

沖田の手が当たり湯吞みが落ちた



「大丈夫ですか?」

「すまねぇ 割っちまった」

「いいですよ」


片づけをする葵のそばでまだ納得出来ない沖田が唇を噛みしめる


割れた湯吞みを持ち立ち上がった葵が沖田に言った


「すみません 声が大きかったので
聞いてしまいました
出稽古 私も勧めません」

「は!?」

「浪士組の皆さんは、流派もバラバラ、師範代の腕前、こんなに良い条件下で格下と稽古はいかがなものかと…」


「おいおい!」