「ありがとうございました
ここで結構です」

「ここが家?」

「家は、この奥です」

「家まで送るっつってんだろ」

「隊士さんにもいつもここまでです」

「は?アイツら…普通、家に入るまで見送るだろ!!」

「ここまで送って下さるだけで嬉しいです
人として、女として扱ってくれて…
私は、恐れられる存在だったこと
思い出しました
浪士組の皆さん、大事にして下さるから、忘れてました
忘れちゃいけないのに…」


沖田は、葵の泣きそうな表情を見ないよう懐に包んだ

「お前なんか、怖くねぇ
こんな…折れそうに痩せた女
怖くねぇよ!」

チラリと葵を見れば
やはり泣きそうな顔