葵が扉を閉めようとしたその時


「葵」


沖田が葵に声を掛けた


「何でしょう?」

「今日は、誰が送るんだ?」

「今日は、宴ですから
送りはお断りしました
日が長くなりましたから
明るいうちに帰り着きます」

「送る」

沖田が立ち上がる

「え…いえ、宴でしょう?」

「近藤さん、いってきます」

「うむ そうしてくれ」

「いいえ それなら、隊士さんにお願いします!宴に間に合いませんよ」

「佐々木さん、総司は途中参加でいいよな?」

「あ、ああ…構わない…が…」

佐々木が言い淀む


「構わないってよ 行くぞ」

「そんな 沖田さん、ちょっと…」



沖田が葵を屯所の外まで引っ張った