山崎は、葵の口を読んでいた



『ずっと、見張っていたくせに』

胸騒ぎがした

土方の許可も得ず

葵を追って、確信した


男とは無関係で
しかも体調崩している



すぐに屯所へ知らせに戻る




幹部らがまだ揃っていた

誤解だったと伝えた

「行くぞ」


土方の掛け声で皆が立ち上がる


男が、浪士組の女中と知っている可能性を考え助けに行く




幹部全員、葵の家を知らない

「途中までならわかる」


土方が先頭を走る


葵と男の後姿を捉える



「葵!!!」



沖田の呼ぶ声に葵が振り返る

葵の背後で男が刀に手をかけた

それを見て全員が応戦体制になる



幹部らの殺気は、葵の後にいる男に向けられていた

しかし…


『疑ってた… 皆… 私のこと…』