深紅と浅葱

沖田が俯いて謝る

『あ…我慢させてしまった』  

葵が沖田に頭を下げる


「体、なんともなさそうなので
私は、これで失礼します
さぁ!皆さんも稽古にどうぞ!
隊士がお待ちですよ」


ぞろぞろと沖田の部屋を出る



立ち止まった葵が土方の顔を見る

「少し話すか?」

土方に先に言われ、頷く



場所を土方の部屋に変えた


「沖田さんが刺された時
土方さんがそばにいたんですよね?」

「あぁ 体の自由が奪われて
何も出来なかった」

「顔 見ましたか?」

「ああ」


葵が土方を見る
土方が固まる


土方が身動き取れない間に
葵が土方の記憶から沖田を刺した男を見る




「何だ!?お前も出来るのか!?
つーか、力使うなら使うって先に言ってくれよ!驚くだろうが!」

「すみません」

「その力は、何なんだ?」

「徳川を守る為の力です」

「それが…何で総司を?」

「神子ではない者の手に渡ってしまったのです
私、帰りますね
慶喜様に報告しないと!」

「おう 葵 ありがとうな」