土方が溢れ出しそうな涙をこらえ
天を仰ぐ

沖田が見たかったであろう笑顔を
当の本人だけが見れなかったこと


そして、なぜか沖田と葵が
心から笑い合う姿が浮かび


本当なら、2人が結ばれるはずが
自分が沖田を守れなかったことで
2人を引き裂くことになったように思えた


「すまん…」


力なく土方からこぼれた言葉


すでに葵は、無表情に戻っている


「どうして土方さんがあやまるのです?
これは、私の甘さ故に招いたこと
さぁ 治療しますので
皆さん外へ 
あまり見られたくないので」

全員を外に出した


「総司をよろしく」

「はい」



廊下からの聞こえた近藤の優しい声


沖田の頬に手を添える


燃えるように熱い