とある夜のこと


新選組の捕り物中

沖田がふと視線を外へ

『この感じ…』



「どうした!?」

土方が放心状態の沖田に声を掛ける

「土方さん…抜けていいか?
葵が追ってる奴が近くにいる
俺…葵のところに行きたい」

1点を見たまま言う沖田の様子が
気になり、考えた


「永倉!俺達抜ける!
近藤さんに遅くなるって伝えてくれ!」

「は?…おう!!」

土方の緊迫する声色と沖田の様子で
何となく理解した

「総司
俺がついていけるくらいで走れよ」

「わかった」


走り出した沖田に合わせて走る

沖田の視線は相変わらず1点を見たまま


近くにいると言った言葉と違い
捕り物現場からどんどん離れていく
なぜ居場所がわかるのかという疑問は、考えないようにした

沖田から伝わる緊迫感で
危険に近づいているのがわかる為
話し掛けれなかった