「一葵と会えて良かった!
もう会えないと思ってた
会えば、こんなおばあちゃん
嫌いになると思ってた」


一葵と再会した翌日


沖田に少女のような口調で言った
本当の真優の口調なのだと微笑む

「よかったな!」

「うん!葵に謝りたいな…」

「今日は、来ねぇのかな」

「うふふっ
総司、教えてあげる
葵はね
人の命が見えるの」

「命が…?」

「私は、もうすぐ死ぬ
だから葵は私を京に招いてくれたし
総司に口止めせず一葵に伝わる可能性に賭けたのよ
自分から言わない約束を守って…
葵はね…本当は…辛いの
家族も…友も…失って…」

「真優?」

「お別れ…ね
総司…葵を…守ってね」

「え? 真優? 真優!!!」

背後に気配を感じ振り返る

「沖田さん ありがとうございます」

「真優と仲良くしてくれて
ありがとうございました」


葵と一葵が頭を下げた


「真優が…」

呆然とする沖田を他所に
葵達の仲間がテキパキと片付けをし真優を連れて行く

「葬儀は?墓は?」

「ありませんよ」


葵が仲間へ指示し、去って行く


「真優が世話になった」

一葵が沖田に小声で言った

「俺は、真優が好きだった」

沖田にへにゃっと笑う


「内緒だぞ!」