「慶喜様からのお祝いです」

「祝い?」

「祝言や新居など物入りでしょう」

「……まだそこまで話が進んでないが…お前、どんな報告したんだ」

「あの葵斗に大切な女性が出来たと伝えたら、『一大事だ』って
私は、あの葵斗だからぐずぐずして捨てられかねないから、慶喜様のお力が必要と申し上げました」

「クククッ」

笑いをこらえる一葵に目もくれず

「あの、葵斗のためなら
一肌脱ごうと慶喜様から露子さんの白無垢を仕立てする資金も頂いてます」

「ちょっとまて!あのって
どういう意味だ!!!」

「なんでもいいでしょう
慶喜様がここまて尽力して下さるとは、予想外でしたが…
日頃の行いが良かったから、人徳ですね」

「お前は、咎めはなかったのか?」

「『それ、今聞くか?
ないわけないだろ!バカなの!?』
って、葵が思ってる」

「一葵ありがとう」

代弁した一葵に礼を言う

心配気な表情で葵を見る

「不問にするから、宴に参加しろと」

「あ…」

「すまん…」

一葵と葵斗が申し訳なさそうに言った