「一葵…殺せ
そうすれば、お前達は見逃す」

一葵が首を振った


「い…嫌だ…」


「誰か!2人を殺せ!見せしめだ!」


「2人は、何もしていない」


殺気をもった近藤の言葉が響く


「葵…深紅と呼ばれる
家族殺しのお前なら…
仲間を殺すのは、簡単だろう?」

「ええ」


その場にいた全員が葵の返答に驚く


「殺せ」


葵が歩きはじめると

「駄目だ!葵!やめろ!」

一葵が叫ぶ


葵斗が「露子さんすみません」

呟いた瞬間


ザシュッ










頭が倒れ、血の海ができた





「何してるの?」

葵が言うと


葵斗がはじめに片膝をつき頭を下げた

ザザザと皆が同じように膝をついた

「代替わりします
今、この時より
仲間同士の殺生を禁ずる
葵斗は、破門する
新しい頭は一葵を指名します
異論あれば申し出て下さい
また、組を出たい者は、いつでも申し出て構いません」



異論は出なかった


「では、引き上げましょう
貴方の荷物は、新選組に届けますね」


葵の後ろ姿に葵斗が深く頭を下げ
見送った