葵は夢を見た


どこを見渡しても真っ白で何もない

心細くなり、恐怖を感じた

『誰か…助けて!』


手を握られる感覚に、目を覚ます


「気分悪いのか?」

沖田が葵の顔を覗き込む

「い…え」

「魘されてたぞ?」


繋がれた手をほどき、心を静める


「大丈夫です
少し夢を見ただけです」

「そうか」


襖が開く


「起きたんやね?
丁度、お粥作ったとこや」

葵が起き上がると露子が葵のそばにお粥を置く

「ありがとうございます
いただきます」


葵が茶碗を手に持ち食べようとすると廊下に足音が複数

『ぁ…面倒くさいのが来た』

葵が心の中でため息