「今日は、雨が降るから持っていけ」



門前でぶっきらぼうに傘を差し出す沖田総司に対し、眉間にこれでもかというくらいしわを寄せた土方歳三が空を指さす


「晴天だが?」


「るせぇなぁ 黙って持ってけよ」


壬生浪士組局長 近藤勇につかいを頼まれたのは、昨晩のこと
見送りされるような遠くに行くわけでもないのに
朝から沖田が門で待っていた
そして、強引に持たされた傘
それを邪魔だと思いながら、周りを見れば、やはり傘を持つ物はいない

『からかわれたか…』


10も年下で敬語もなしに対等に言葉を交わす仲

時々、理解出来ない悪戯をしてくることに困っている


『覚えてろ』



長い説教をしてやろうと決めた