「愁さんは分かるけど、何で玲央さんまで?」

「玲央君は、あたしの”初恋”だよ?」

「げっ」

「何かしでかせば玲央君がすぐに動いてたのはそういう事なのかよ」

「そういう事」

「分かった。玲央さんにも報告はする。
玲央さんに行けば、麗さんにも話がつくだろ。
何で岬さんや剛さんには言わないんだよ?」

「だって、そんなすぐに言わなくても、
同じ学校にいるんだよ?
いつでも言おうと思えば言える環境にいるからね」

「なるほどな。
じゃ、俺もとりあえず帰るわ。
愁さんと玲央さんの所には明日行くから支度しておけよ」

はい!?

「明日なの!?」

「あぁ。早い方がいいしな。しかも明日休みだし」

そうだけど・・・

「お前も早い方がいいだろ」

まぁ・・・
でも、

「なら、あたしも姫奈のことも、名前で呼んでくれる?」

「は?」

「じゃなかったら、怪しまれるでしょう」

「分かった。
お前も、俺の事を名前で呼べよ?」

「いいけど、名前知らないし」

「マジかよ。俺の事知らない奴いないと思ってた」

「ふーん」

「俺の名前は諒芽って言う」

「りょう・・・が?」

「そう。小泉諒芽」

「分かった」

「じゃあな。”璃和”」

!?

「転校してきたときに言ってただろ?
お前言ってたしな」

帰る際に
「お前って、飯。上手いのな」

え?

「俺にまた、作ってくれよな」

そう言って帰っていった諒芽。
不覚にも、ドキっとしたのは、なんでなんだろう?