空仰げば、遠くにキミ。【完】




朝練を休むとこんな寝坊できるんだ、と感動を覚えた頃、ギリギリで登校すると、下駄箱に人影が見えた。



「武藤さん、おはよう」


「葛原くん?」



たしか、古泉くんとよく一緒にいる……。


葛原くんは、近寄りがたい雰囲気がある持ち主だった。


目つきが鋭く、アクセサリーもじゃらじゃらつけてて、授業も結構な頻度で寝ているイメージがあるからだ。