その瞳に映るのは




ガンッ!!!


突然の音にビクッと身体が強張った。



「猪瀬、お前わざとだろ。」



声に反応してすぐ横を見た。

隣りの渡辺くんの右足が私の机に伸びていた。


「しょうがないでしょ。三島さんの肌が綺麗すぎて触りたくなるんだから。」



……肌?


「だよねー。一度触るとクセになるというか、ちょいちょい触りたくなるんだよね。」


……美優ちゃんも?



「三島さん、最近よく笑うから余計に頬が…触りたくなるから困るよね。」


……猪瀬さんが?猪瀬さんのが肌綺麗なのに?



「……私は猪瀬さんのが触ってみたいかも…。」


あ。思わず口に出ちゃった。



「私?全然いいよ。どうぞ。」


そう言って猪瀬さんはもう片方の手を伸ばして私の手を取って自分の頬に私の手を添えた。



………確かに私の頬と違う。綺麗だけど無駄な肉が無いというか……。