「……嘘だよ。」 私はそう呟きながら一昨日の事を思い出して顔が熱くなってきた。 「本当だよ。気になるなら俺の通話履歴見る?何時に電話したかわかるよ?」 一度考えてしまうと止まらなかった。 あの日の事。 抱き寄せられた事。 頭を撫でられた事。 名前で呼ばれるようになった事。 ケーキを嬉しそうに食べてくれた事。 玄関前で頬を触れられた事。 まるで成瀬くんの彼女になったみたいだと自分でも勘違いした事。 思わず顔を両手で隠す。