マクシムの目はとても寂しそうだった。その顔を見るたびにひなたの胸は苦しくなる。ひなたは自然とマクシムを抱き締めていた。

ひなたには家族がいる。遠く離れた場所で暮らしているが、互いに連絡は取り合う仲のいい家族だと思っている。だから、マクシムの感じた痛みや悲しみを全てわかってあげることはできない。でも、そばにいて気持ちを受け止めることはできる。

「そんな顔しないで。マクシムには笑っててほしいよ。だって、あたしの大切な人なんだから!」

暗く寒い場所から温かい場所へ自分が連れて行ってあげたい。そう強くひなたは思いながらマクシムを見上げる。マクシムの瞳から涙がこぼれ落ちた。


「……ごめんね、こんな僕で。言いたいことがあるのに、マイナスなことばかり頭に浮かんじゃうんだ」

マクシムの言いたいことが何か、ひなたは直感でわかった。そして、この場所を選んだことなどがマクシムらしいなと微笑んでしまう。