「あ〜ピアスが一個見つからない!もうーどこ置いたのかしら〜」


ドタバタと独り言を言いながらあっち行ったりこっち行ったり、朝から騒々しいうちの母。


いつも通りの日常だ。


「じゃあ、もう私出るからね!今日は遅くなるからご飯一人で食べるのよ」


身支度を整えた母はそう言って慌ただしく家を出て行った。



母ひとり子ひとりで、仕事で忙しい母親は昔から家にあまり帰ってこないことが多かった。

でも寂しくなかったのは、双葉やあの家の家族が居てくれたお陰だと思う。


今は少し疎遠になってしまったけど、小さい時、ずっと一緒に遊んでくれた双葉には感謝しかない。