私は一人空き教室で泣いていた。大きな声で。

そこに通りかかったのは、美紀ちゃんだった。

「並木、さん?」

美紀ちゃんは戸惑っていた。そっか。泣いてたら困るよね。

「しんやの彼女だよね?」

チクッしんやって呼び捨てなんだ。いいな。
私は美紀ちゃんが凄く羨ましい。

「違い、ます。」

美紀ちゃんはすごく驚いて。

「え、ど」

その時、ガラッ。
しんやくんが入ってきた。私を追いかけて来てくれたんかと思ったけど、ここに美紀ちゃんがいるってことは美紀ちゃんを探しに来たんだろう。

「え、美紀?」

ほら、しんやくんは美紀ちゃんのこと呼び捨てするでしょ?私のことは名前すら読んでくれないの。
私がその場を立ち去ろうとしたその時、