「え?」

しんやくんは驚いた顔をしていた。それはそうだ。付き合ってから話すのは初めてなんだから。

「ごめんね。縛り付けちゃって。ごめんね。好きになって。だから、」

「やめて。それ以上は聞きたくない。」

しんやくん。あなたはどこまで優しいんですか?

「私はしんやくんの優しさが大好きだった。でも、あなたの優しさは辛い。だから、」

「それ以上言わないで!」

しんやくん。解放してあげる。もう優しくしなくていいんだよ。

「だから、別れよ?」

私の涙がこぼれ落ちるのと同時に雨がポツポツ降り始めた。

私は走り出していた。ただ、泣いて泣いて。

叶うのなら、私はあなたに好きって言われたかった。