楓は私をもう一度抱き締めると、今度はすぐに自分から離れて、 「バイバイ、結衣。和樹」 泣き笑いの表情を浮かべてそう言うと踵を返し、家の方向に向かいさっさと歩きだした。 「ちょ、はええよ!」 歩夢が慌てたように楓を追いかけて、二人が並んで、そして少しずつ見えなくなっていく。 「行こっか」 「うん」 私と和樹は黙ってそれを見送ったあと、どちらからともなく足を進めだした。