わたしの顔を見て…しばらくの間、繊細な長い指を額にあてて考え込む先生。
でも秘密がバレた先生に選択肢はなく──・・・
『……しかたねぇなぁ』
あの日から、お昼休みの30分間だけ先生を1人占めできるようになった。
でも遠くから見つめていた先生が
あんまり近くにいると、今度は…直視できなくなって
その代わりと言うわけじゃないけど、ここで何度も
冗談っぽく『好き』って口にするわたし。
だけど先生は いつも、それを笑って…はぐらかすだけ。
子供扱いして…たまにわたしの頭を優しく撫でるだけ。
そう───先生は…意地悪だ。


