髪も横に編み込みにしてもらった。
でも、私の命は「残り20分」を切っていた。
花火を見られるかどうか心配だった。
少し焦りを感じながら外を眺めていた。
「あ!始まるよ!」
と、言われたのが「残り1分」の時。
心拍が次第に弱っているのに誰も気づかなかった。
ドンッ!!
「きゃー!綺麗!」
「良かったわね。」
看護師さん達と母は楽しそうに花火を私と眺めた。
花火に気を取られて赤いランプがついてるのに
気づかない。
母は私にこう言った。
「来年こそはもっと近くで見ようね。」
「残り0秒」
ドンッ!!
最後の大きな花火が空に上がった。
7色の花火だ。

