綾乃も 新しい職場で 頑張っていた。

「ねぇ 渚。私 年下と 付き合えると思う?」


以前よりも 規模が小さい病院で。

その分 残業が 減ったらしく。

「まぁ お給料も 下がったけどね。」


私とも 以前より 会う時間が 増えた。 


「年下?どうしたの 急に。」

「うん。今の病院で 声掛けられて…3才下の 薬剤師なんだけど。」

「えーっ。若い!渚は どうなのよ?」

「私も ちょっと 気になってるけど…ただ 私 年齢的にも 遊んでる時間 ないし。」

「相手を 知らないから。何とも言えないけど…ただ 好きかどうかが 大切で。それ以外の 色々は 後から 付いてくるんじゃないかな。」


私は 慎重に 言葉を選んだ。

綾乃には もう 苦い恋は 

してほしくなかったから。


「好きかどうか…?」

「うん。私 福原さんの時 綾乃 最初は そんなに 好きじゃなかったみたいな 気がしたから。でも 始めちゃったから。引っ込みが つかないみたいな…」


「渚……」


綾乃は 驚いた顔で 私を 見つめた。