年度が変わる 桜の季節が過ぎて。

新入社員も 配属先に 落ち着いて。


転職をした 綾乃は 

GW中に 引越しまで してしまった。


アパートの 1人暮らしだから

たいした荷物は ないけれど。

大きな物は 業者に依頼して。

私と誠も 荷解きを 手伝った。


「おかげ様で。なんとか 落ち着いたわ。ありがとう。」

たっぷり 1日 作業をした 私達は

新居近くの 洋食屋さんで 夕食を囲む。


「ううん。あんまり 役に立たなかったけど。」

「そんなことないよ。誠がいて 助かったよ。やっぱり 力仕事は 男手が必要だね。」

「俺でよければ いつでも呼んで。器用じゃないけど 力はあるから。」

誠は 嬉しそうに 私と綾乃を 見た。


「誠。良い男になったじゃない。渚が 惚れるのも 納得だね。」

綾乃に 冷やかされて 誠と私は 赤くなってしまう。 


「ちょっと。止めてよ 綾乃。照れるじゃない。」

「へぇ…照れるけど 否定しないんだ。」

「やぁね。綾乃って 人が悪いわ。」


私達のやり取りを 誠は ニコニコして聞いている。