「私 中学生の頃 少しは モテたかもしれないけど。相当 いい気になってたよね…」
「いや。そんな風には 思わなかったよ。渚 男子だけじゃなく 女子にも 慕われてただろ?みんなを 惹きつけるものを 持っていたんだよ。」
「惹きつける?」
「そう。渚って 明るくて 楽しくて。誰にでも 平等に 冗談言ってたじゃん?みんな 渚に話しかけられるの 待ってたんだ。」
「平等に?」
「うん。俺みたいに 目立たない奴にも。」
「そうだったかな…」
誠と 付き合うようになって 2ヵ月。
こういう 話しをしたのは 初めてだった。
「渚 覚えてるかな…社会科見学の時 バスの席が 俺と隣だったこと。」
「うん。覚えてるよ。あの時 吉川が 無理やり 男女で 座らせたんだよね?」
「俺 すごく嬉しかったんだ。でも どうしていいか わかんなくて。嬉しすぎて 無口になっちゃってさ。」
「そうだ~。誠 眠いとか言って。眠ろうとするから。私 飴あげたりしたよね?」
「そう。それで 渚 色々 遊んでくれたんだよ?しりとりとか。なぞなぞとかして。」
「そうだっけ?保育園じゃないっていうの。でも 楽しかったよね?誠の 変な なぞなぞとか。」
私は クスクス笑って 誠を見た。
「渚が ケラケラ笑うから。みんなが 俺達の方に来てさ。ちょっと ムカついたんだよ?」
「えっ?」
「せっかく 渚を 独り占めできると 思ったのに。」
私は 誠の言葉が とても嬉しかった。
「でも 今は 独り占め…」
誠は 私に 甘いキスをする。
「なぞなぞする…?」
小さく 答える私を 誠の唇が 熱く塞いだ。



