土曜の夜 私の部屋に 誠は 泊まった。


昼間から 会って 映画を見て。

「メシ 食べるか?」

誠が そう言った時 私は 部屋に誘った。

「ねぇ。ウチで食べない?私 何か 作るから。」

「いいの?」

誠の 弾んだ声が 嬉しくて 私は 笑顔で頷く。


途中 一緒に 買い物をして 私の部屋に 向かう。

「渚って いつも 自炊してるの?」

「ううん。たまにしかしない。1人だと 作る気にならないし。」

「そうだよな。俺も 1人の時は コンビニばっかり。」

「うん。逆に その方が 経済的だし。」

「料理は 得意?」

誠に 聞かれて 私は 首を傾げる。


「どうかな。1人暮らしが 長いから。一通りは できるけど…」

「男って 手料理に 弱いんだよなぁ…」

「そうかなって思って…今日は 頑張る。」


誠が 正直に言うから 私も 素直に答えて。


「渚 可愛いな。」

右手で スーパーの袋を持って

左手で 私の手を 握る誠。


そう言って 私の手を 少し 引き寄せて。

私は そっと肩を 誠にぶつける。


「可愛いって いくつになっても 嬉しいね。」

そっと 誠を見上げると 誠は 優しく 頷いた。