いつもと違う場所で 待合わせただけで

何となく新鮮で ドキドキする私。


改札口から 出てくる誠を 見た時

胸がキュンとして そっと 息を吐く。


「ごめん。待った?」

「ううん。私も さっき着いたの。」

「行こうか。」

誠は そっと 私の手を取る。


「誠って 色々な所 知ってるね。」

「そうでもないよ?必死で 検索してるの。」

誠の言葉が 嬉しくて 私は 肩をすくめる。

『私のために?』

心の中で そっと聞きながら。


少し歩いて 誠は おしゃれなドアを押す。


いつものように 寛いで 食事をしながら

いつもより 少し甘い空気は

私の期待が 大きいせい?


「美味しかったね!ご馳走さま。」

店を出て 私が言うと 誠は 優しく頷いた。

「渚。観覧車 乗りに行こうか?」

「えっ?」

驚いた私が 誠を 見上げるより早く

誠は タクシーに 手を上げた。