「誠って 何の仕事 してるの?」

誠は お父さんの車だと 言ったけど。

運転は スムーズで 手慣れていた。


「広告会社の営業。」

「へぇ。意外…」

「俺 営業向きじゃないって?これでも 案外 成績 いいんだぜ。」

男性が 車を運転する姿は 

萌えポイントだって 言うけど。


恋愛に 免疫のない私は 

誠の横顔に キュンとしてしまった。


中学時代は 目立たなかったけど。

誠は 長身で 綺麗な横顔で。

イケメンに 属している。


声のトーンや 話すテンポも 心地良くて。


「うん。わかる気がする。誠 変わったよね?」

「そうかな。多少は 図々しくなったかな。」

話し方にも 余裕があって。

「何か ムカつく…」

私が ポロっと言うと 

誠は 「えっ?」と言って 一瞬 私を見た。


「私 誠に 負けてる気がする。」

「ハハハッ。勝ち負けじゃ ないでしょ?」



私は 誠が言った その一言で 恋に落ちた。