大切な芸人(ヒト)~ヒーローと始める恋の奇跡~

オレたちはこれからどうしようか、と話しながら店を出た。

海に少し寄って浜辺を歩いた。

特に話すこともなかったが。波打ち際を歩いてたまに波を避けたりしながら。

なんか…こうしてるとホントにコイビトだよな。

「…コイビトっぽいって?神経集中してみ?今のこの状況もネタになるかもよ?」と言われた。

確かに…ファンだと公言するコイツにはいくつか助言を貰っていつも成功してきた気がする。

オレは神経を集中させた。

これもネタになるんだと信じて。 うっ…出てこない…でも、コイツはこんな何気ないこともネタとして大事に扱ってたんだよな…

そう思うと、改めてコイツのスゴさを知った。

「俺のことはこれからもドンドンネタに入れて良いからね!」と言ってくれた。

普通、解散したコンビがここまで仲良くいられるのは珍しいと思う。

けど、オレらには強い絆があるらしい。

オレの手料理を食べて、胃袋を鷲掴みにされたというコイツは本当に…

オレの全部が大好きだといつも言う。

オレはそれが本当に嬉しくて、頑張ろって思える。

『自分が笑って過ごせたら人も笑顔にできる』コイツから貰った言葉だ。

オレはこの言葉をスゴく大事にしてきたつもりだ。

自分をいかに表現していくか、常に考えてる。

スゴく心地よく、楽しい時間を過ごせていた。

「今度さ、潜りに来ようよ?」とオレは言ってみた。

「良いねぇ~。楽しそう。あ、俺はサーフィン覚えようかな?って思ってるんだけど?」と言ってくる。

「もちろん!そう思うとやりたいことっていっぱいあるね!」とオレは返した。

オレらは海に石を投げたりしながら語った。

結局オレらは仕事の話で、オレはこれからのビジョンを暑苦しく語った。

そんなオレの熱い語りを笑顔で聞きながら海に向かって石を投げているコイツ。

「なんかお前に話すとさ、ホントに気持ち落ち着くんだよな」とオレが言うと、

「そう?なら良かった。じゃ、そろそろ行こっか」と言われて、オレらは海を後にした。

車に戻ったオレらは「次何しよっか?」と言うと、

「あ、俺、行ってみたい所あったんたんだよー。ほら、最近流行りの手ぶらでキャンプ?あれ絶対楽しそうじゃない?」と言う。

なのでオレはスマホで近くで手ぶらでキャンプ出来そうな所を探した。

調べてたら出てきた。

「あ、あるよ?結構近くみたいだし行ってみる?」とオレは言ってスマホを見せた。

「うん!良いところだね~。こんな近くにあるんだ~知らなかったね!」とオレのスマホを覗きながら言うコイツ。

オレらはそのキャンプ場に向けて、ゆっくり車を出した。

車の中でもオレらはしゃべっている。

音楽を聞くとかほとんど無く、オレらはずっとしゃべっていた。

こうしてると昔に戻ったみたいでホントに楽しい。