大切な芸人(ﾋﾄ)～ヒーローと始める恋の奇跡～

「よほど、愛されてるのね。高くつくってそういう意味なのね～少し嫉妬しちゃう」と清羅さんは笑う。

「どういう意味だ？」とオレが言えば、

「大好きなあなたの独身最後を一緒に過ごさせて欲しいってことでしょう？お金より、あなたと過ごす時間に意味と価値があるってことだと思うわ」と清羅さんは言う。

オレとの時間…？

オレには全く意味がわからなかった。

「清羅さんはなんでわかるの？アイツの気持ち」とオレが聞くと、

「私も彼も、あなたの１番のファンだからよ」と返ってきた。

「えっ？アイツがオレのファン？どういうこと…？」と言うオレに、

「あなたのことが大好きであなたを誰よりも大切に想ってきた。だから、あなたが辛い時は自分も苦しい。あなたが笑顔なら自分も幸せ…。私がそうだから！彼もきっとそうだったんだと思うよ。だからずっとあなたと一緒に濃い時間を共にしてきたんだよ」と清羅さんは言う。

それでオレはなんとなく理解した。

清羅さんに愛されてるのと同じくらいアイツにも愛されてたんだってことを。

アイツはお金では買えないオレと過ごす時間を請求してきたと言うことらしい。

請求はお金だけじゃないんだ。そう言う考え方もあるんだ…

オレは初めてその事を知った。

アイツにとって仕事は金だけじゃない。愛とか友情とか色々なものも含まれてるんだ。

オレはその契約書にサインをしたんだと改めて感じ、納得してアイツに電話をした。

「請求書、ありがとう！見積は納得した。改めて、日程決めよう！」とオレが言うと、嬉しそうに、

『こんな形でまた一緒に過ごせる時間がくるなんて、マジ幸せだよ。俺』と返ってきた。

そして、後日、アイツ(キラ)とのデートをこじつけた。