大切な芸人(ヒト)~ヒーローと始める恋の奇跡~

この日、オレたちは行きつけのお店でディナーを楽しんだ。

たくさん話して、たくさん笑った。

こんな日がずっと続いてほしいと願いながら。

清羅さんのおかげで少し柔軟になったオレの頭…。

少しずつだけどライブで笑いを取れるようになってきた。

けど、最近はロケが多い。

特に大食いのロケ…。少しでも印象に残ろうと必死に食べた。

そして、激辛グルメにも挑戦した。

持ち前の、気合いで完食…

圧倒的なアピールを見せていた。

そして、それを見て、応援してくれる視聴者からファンレターや、お手紙が届くようになった。

小さな子供まで、「無理しないで~」とか、「頑張って~」とか声かけて貰えるようになった。

そんなファンレターに混ざっていつも届くのが、清羅さんからのファンレター。

何度見ても、いつ見ても、オレはこのファンレターが1番心に響いて大好きだ。

ひいきかもしれないけど。

LINEとかと違って紙に書かれる文字には魔法がかかっているとオレは思ってる。

オレがまだソロになる前、アイツが書いたネタの台本を見たときにそれを強く感じた。

もちろん、言葉のチョイスが素晴らしかったり、間の取り方、細かい部分がしっかり書き込まれていたものだったからかもしれない。

けど、それ以上に、オレの心に届く魔法がかかっているんじゃないかって本気で思ってた。

何かはわからないけど、人と人を繋ぐ魔法が かかっている気がした。

それがオレの原点であるような気がする。

人を笑顔にするために、文字には魔法がかかっていて、それを演じることで芸人の良さは引き出されると思ってる。

なので、芸人さんは

芸を披露する演者さんだとオレは認識している。

その代表格がそのるさんだとオレは本気で思ってる。

オレもいつかあんな魔法がかけられるようになりたい!本気でそう思っている。

そんな話を清羅さんにしたら、

「…ロマンチストね。素敵だわ」と言ってくれた。

だからオレは、やりたいことを貫こうって覚悟した。

だからアイツは力を貸してくれる。

今でもオレが面白くなるように魔法をかけてくれている。


しばらくした日、時間が取れそうだったので、オレと清羅さんは食事しながら、結婚式の日程を決めていた。