「…場所…覚えてたの?」と清羅さんが聞いてきた。
「うん。けど、当時より家コンパクトになったね。庭とガレージが広くなったんじゃない?」とオレは言った。
「何でわかるの?あの時は家燃えてたのに」と清羅さんに言われた。
「…あの時、オレは初めて民間の家を担当した。それまでは工場とかが多くてね。印象に残ってる。両親は早めに救助されて、娘に想いを馳せて助かることを祈ってたよね。オレはその時、あの家の中に入った。本気で助けたいって…それがオレらの運命だったんだね」とオレは言った。
「そうだったんだ…ありがとう!本当に。そろそろ家、入ろうか」と清羅さんに言われ、ガレージに車を停めさせてもらいチャイムをならした。
はーいとお母さんに出迎えられ、オレらは中に入った。
「ご無沙汰してます。ご挨拶にも来れず、すいません」とオレは玄関で勢いよく頭を下げた。
ドアを閉めた清羅さん。
お母さんは「あら、頭を上げてくださいな」と優しく言ってくれた。
オレは「…これ、つまらないものですが」とお土産を渡した。
「…あら?これって…ケーキかしら?」と箱を受け取ったお母さんは言う。
「はい。清羅さんからケーキがお好きだと伺いましたので。味の好みはわからなかったので、6種類用意しました」とオレは言った。
「本当にありがとう!さ、入って」と嬉しそうに言って受け取り、入るように言ってくれた。
感触は悪くない気がした。
中に入ると今度はお父さんが迎えてくれる。
「よく来たね」と。
「あなた~、彼からケーキいただいたの。皆でコーヒーにしましょ」と言ってお母さんは台所に向かった。
「コーヒーで良いかしら?」と聞いてくれたので、
「はい!ありがとうございます」とだけオレは返した。
お母さんは箱を開けて、ケーキをスゴく嬉しそうに眺めてくれていた。
そして、コーヒーの準備をしてくれている。
オレはその間に、
「…あの、これはお父さんに…」ともうひとつのお土産お父さんに渡した。
「ワシにか?」と中を確認したお父さん。
「…この日本酒は…」とお父さんはとても驚いていた。
それもそのはず。
例のバーで聞いたオススメの日本酒『麗』
このお酒は生産数が少なくほとんど出回らない名酒と呼ばれる希少な日本酒だ。
さっぱりとしていて飲みやすく、後からくる絡みがクセになる辛口の日本酒だ。
清羅さんから辛口の日本酒が好きだと聞いていたので、これにした。
「母さん、凄いものを貰ってしまったぞ!」と興奮気味に言ってお父さんは台所に行った。
「あら、お酒?」とお母さん
「…ただのお酒じゃない。幻の名酒だ!」とお父さん
「あらー、良かったわね!」とお母さんは言う。
そんな頃、お湯が沸き、コーヒーを入れてダイニングへと運んでくれたお母さん。
「ケーキは好きなもの選んでね?」と言われたんだけど、
「いえ、オレ、コーヒーだけで大丈夫です。お母さんのために用意したんですから、楽しみながら食べて下さい」とオレは笑った
「ホントに良いのかしら?」と言われてオレは頷いた。
「…なら、清羅、あなたは選びなさい」とお母さんに言われて、清羅さんはケーキを選んだ。
お父さんもケーキは食べないらしく、
二人でたくさん食べるね!なんて話してて、とても微笑ましかった。
「うん。けど、当時より家コンパクトになったね。庭とガレージが広くなったんじゃない?」とオレは言った。
「何でわかるの?あの時は家燃えてたのに」と清羅さんに言われた。
「…あの時、オレは初めて民間の家を担当した。それまでは工場とかが多くてね。印象に残ってる。両親は早めに救助されて、娘に想いを馳せて助かることを祈ってたよね。オレはその時、あの家の中に入った。本気で助けたいって…それがオレらの運命だったんだね」とオレは言った。
「そうだったんだ…ありがとう!本当に。そろそろ家、入ろうか」と清羅さんに言われ、ガレージに車を停めさせてもらいチャイムをならした。
はーいとお母さんに出迎えられ、オレらは中に入った。
「ご無沙汰してます。ご挨拶にも来れず、すいません」とオレは玄関で勢いよく頭を下げた。
ドアを閉めた清羅さん。
お母さんは「あら、頭を上げてくださいな」と優しく言ってくれた。
オレは「…これ、つまらないものですが」とお土産を渡した。
「…あら?これって…ケーキかしら?」と箱を受け取ったお母さんは言う。
「はい。清羅さんからケーキがお好きだと伺いましたので。味の好みはわからなかったので、6種類用意しました」とオレは言った。
「本当にありがとう!さ、入って」と嬉しそうに言って受け取り、入るように言ってくれた。
感触は悪くない気がした。
中に入ると今度はお父さんが迎えてくれる。
「よく来たね」と。
「あなた~、彼からケーキいただいたの。皆でコーヒーにしましょ」と言ってお母さんは台所に向かった。
「コーヒーで良いかしら?」と聞いてくれたので、
「はい!ありがとうございます」とだけオレは返した。
お母さんは箱を開けて、ケーキをスゴく嬉しそうに眺めてくれていた。
そして、コーヒーの準備をしてくれている。
オレはその間に、
「…あの、これはお父さんに…」ともうひとつのお土産お父さんに渡した。
「ワシにか?」と中を確認したお父さん。
「…この日本酒は…」とお父さんはとても驚いていた。
それもそのはず。
例のバーで聞いたオススメの日本酒『麗』
このお酒は生産数が少なくほとんど出回らない名酒と呼ばれる希少な日本酒だ。
さっぱりとしていて飲みやすく、後からくる絡みがクセになる辛口の日本酒だ。
清羅さんから辛口の日本酒が好きだと聞いていたので、これにした。
「母さん、凄いものを貰ってしまったぞ!」と興奮気味に言ってお父さんは台所に行った。
「あら、お酒?」とお母さん
「…ただのお酒じゃない。幻の名酒だ!」とお父さん
「あらー、良かったわね!」とお母さんは言う。
そんな頃、お湯が沸き、コーヒーを入れてダイニングへと運んでくれたお母さん。
「ケーキは好きなもの選んでね?」と言われたんだけど、
「いえ、オレ、コーヒーだけで大丈夫です。お母さんのために用意したんですから、楽しみながら食べて下さい」とオレは笑った
「ホントに良いのかしら?」と言われてオレは頷いた。
「…なら、清羅、あなたは選びなさい」とお母さんに言われて、清羅さんはケーキを選んだ。
お父さんもケーキは食べないらしく、
二人でたくさん食べるね!なんて話してて、とても微笑ましかった。



