「帆高くんって本当に絵が上手だね。イラストレーターとかになれそう!」

未来がそう言うと、「そうなのかな?」と帆高は寂しげな顔をする。

「だって僕は、現実に帰れば普通じゃないけん。こんな僕が好きなことしてていいんかわからんばい」

未来は帆高のその悲しげな瞳に心が痛くなってしまう。まるで、自分のことのように……。気付いたたら、帆高の頭をそっと撫でていた。

「好きなものは好きでいいんじゃない?」

未来がそう言うと、帆高の頬が赤く染まる。優しい鼓動が、未来たちの間で響いていた。