帆高がそう言い悪魔を睨むと、悪魔は「エルルカ様にお渡しするのさ」と言って黒い羽を出し、飛び去ろうとする。

「宝は渡さない!ゴーレム、助けて!!」

未来がそう言い、ゴーレムを召喚しようとすると「ダメです!!」とマルコに止められた。白い光を放っていた本は、スッとすぐに光を失う。

「どうして……」

未来と帆高が訊ねると、マルコは言った。

「こんなところで魔獣が暴れたら、この遺跡は崩壊しかねません。貴重な遺跡に傷がつく可能性がありますし、何より仲間に怪我を負わせたくない!」

その言葉で未来の頭に未だ財宝を探し回ってくれている英美里たちの顔が浮かぶ。いくら防御魔法をかけてもらっている状態とはいえ、この遺跡が崩壊してしまえばどうなるかはわからない。未来は「すみません。そこまで考えられませんでした」と俯く。

「何だ?戦わないのか?ひゃっはっはっはっはっは!!」

悪魔が馬鹿にするように笑い、未来は戦えないことに悔しくてギュッとスカートを握り締める。その時、帆高が悪魔に言った。