「そうそう!絶対に変になるからやめときなよ!」

友達はそう言うが、未来は迷うことなくペンを紙の上へと走らせる。しかし、花びらの細かな部分がよくわからず、未来は花にもっと近づくことにした。

蒸し暑い体育館を一歩出ると、まだ涼しいような気がする。未来が太陽が顔を出す空を見上げた刹那、白い光に包まれた。



未来が目を開けると、そこはもうすっかり見慣れた小説の世界だ。ミーナがいつものように立っていて、その手にはマカロンがある。

「ミーナ、やっほ〜!」

未来がそう言い手を振ると、「今日も頑張って小説を書いてくれよ。じゃなきゃパリで遊べん」とミーナはピンク色の可愛らしいマカロンを口に放り込む。

「ねえ、一個ちょうだい」

未来がそう言いミーナを見つめると、ミーナは「仕方ないな」と言いながらバニラ味のマカロンをくれた。

「おお、ミーナがくれた!珍しい!」

「お前は私を何だと思ってるんだ!」