あの水の中に落ちたら、そう思うと未来の顔が真っ青になる。しかし、どれだけ急いでも間に合いそうにない。その時、「瑠花ちゃん!しっかり掴まって!」と帆高が叫んだ。

龍が移動し、帆高が落ちそうになる瑠花の手をしっかり掴んでいる。英美里も手を伸ばし、瑠花のもう片方の手を掴んだ。

瑠花も無事に救出され、「ありがとう」とお礼を言う。未来はその様子を見て大地と瀧と一緒に微笑んだ。



悪魔を倒し、マリーナの意識が戻ったところで未来たちは宿に帰ることになった。その途中、大地が言う。

「俺さ、マリーナさんみたいに夢を諦めなきゃいけなくなったんだ」

その言葉に未来たちは足を止める。大地は俯きながら話した。

「俺は小さい頃から剣道やってて、いつか世界大会に出場して世界一の剣士になるのが夢だった。自分の道場開いて、たくさんの人に剣道の楽しさを知ってもらいたかった。でも……!!」

大地はギュッと自分の肩に強く触れる。そして、大会で相手に怪我を負わされて肩を痛めたこと、もう剣を振ることが現実ではできないことを話してくれた。