「危なかったぁ……」

なんとかソファを汚さずに済んだようだ。未来はホッとしつつ止めていたドラマの再生ボタンを押す。

その刹那、目の前が白い光に包まれた。



未来が目を開けると、そこは小説の世界だった。そして未来は今日は小説を書く日だったと思い出す。

「未来さん、今日もよろしくお願いします」

そう言い丁寧にお辞儀をしたのは、ミーナではなくシトロンだ。未来は首を傾げながら訊ねる。

「ミーナはどうしたの?またお腹壊したとか?」

「いや、そういうわけじゃないんです。先生はドバイでバカンスを楽しんでますよ。今日は未来さんに説明しないといけないことがありまして……」

そう言い、シトロンは真面目な顔になる。そして一枚の羊皮紙を取り出して未来に見せた。そこには文字が書かれているものの、未来たちの住んでいる世界のものとは違うため、何が書かれているのかさっぱりわからない。

「えっと、なんて書いてあるの?」