「未来さん、お久しぶりですね」

未来が小説の中に召喚されると、目の前に現れたのはミーナではなく何故かシトロンだった。いつもと違う光景に未来は戸惑う。

「何でシトロンが?」

「あ〜……。ミーナ先生、メキシコでタコスとインドでカレーを食べ過ぎたせいでお腹を壊してしまって……」

「あ〜……。なるほどね……」

毎回暴食してたらそうなるな、と思いながら未来はシトロンと共に苦笑する。そしてシトロンはポケットからメモ用紙を取り出した。

「ハンガリーで静養中のミーナ先生から伝言です!これからしばらくは仲間たちとの絆を深められるストーリーになるようにするから頑張れとのことです」

「わかった!了解!」

未来がそう言うと、シトロンの姿が消える。そして帆高たちが姿を見せた。

「榎本!今日も小説書いていこうぜ」

大地がそう言い、未来の肩に手を置く。その刹那、帆高が「さぁ行こう!」と言い歩き出す。帆高が先頭に立つのは初めてで、未来は首を傾げながら歩き始めた。