あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「では、始めろ」

「はい!」

こうして、未来の修行が始まった。



修行一日目は未来は一日中本を手にし、必死で魔獣の名前や特性を覚えた。そして、二日目からは魔獣を召喚する訓練が始まった。

「まず魔獣を呼び出すコツだが、簡単なことではない。強い思いを持たないと魔獣は力を貸してはくれん。魔獣使いと魔獣の関係は対等。こちらの願いを全て聞いてくれるわけではない」

「な、なるほど……」

ジークがセイレーンやペガサスを召喚するのを見た後、未来もジークのように呪文を唱える。出てきてほしい、と強く願う。本が白く輝いた。未来はドキドキしながら辺りを見渡す。

「ダメか〜……!!」

白く輝くものの、辺りに魔獣の姿はない。何百回目の失敗に未来はため息をつく。

修行が始まってもう五日経っているというのに、未来はまだ一匹も魔獣を召喚できていない。未来が肩を落とすと、ジークが口を開く。

「肩を落とす暇があるならまた呪文を唱えろ!わしは少し用があるので離れる」