大きな声と頭を叩かれたことで、未来は「ふぎゃあ!!」と悲鳴を上げながら目を覚ます。目の前にあったのは見慣れた自分の部屋ではなく、緑が広がる森だった。未来の着ている服も小説の中での可愛らしい衣装になっている。そして、未来の目の前には呆れたような顔をしたミーナがいた。その手にはフランクフルトを持っている。

「あっ、ミーナ」

「やっと起きたか。全く!わざわざ時間を決めたというのにお前というやつは……!!」

ミーナにそう言われ、未来は「ごめんごめん」と言いながら笑う。しかし、その頭の中では学校でドジをしてしまいクラスメートに笑われたことを思い出してしまっていた。

「おい、何をボウッとしている?」

俯いていた未来をミーナが覗き込む。未来は「わっ!ごめん!」と言いまた笑う。ミーナは腰に手を当て、言った。

「今日はお前たちが言っていたことを叶えてやるんだ。しっかり身に付けろよ」

「身に付けるって何を?」