未来たちは走り、体を震わせて幼い子どものように激しく泣く瑠花を抱き締める。瑠花は「わぁぁぁぁぁ!!」と声を上げ始めた。それをただ、未来たちは抱き締め続ける。

「ずっと……ずっと……隠してた。ど、どんなにひどい言葉をい、言われても!どんなに、き、傷付いても!私なんか、生きてちゃダメって思って!で、でも、私!みんなが、みんなが、必要と、してくれるなら、生きていたい!生きて、幸せになりたいの!……生きてても、いいかな?」

「もちろんだよ!あたしたちは瑠花ちゃんの味方。瑠花ちゃんがこれまで苦しんできた分、たくさんの幸せをあげたい。心から笑っていてほしい!」

未来はそう言いながら泣いていた。周りを見れば帆高たちも泣きながら頷いている。でも全員が流すその涙が悲しいものではないということを、未来たちはわかっていた。胸に広がるこの感情の名前はーーー。

「ふざけるな!!」

激しい怒りを含んだ声に、未来たちは泣くのをやめる。顔を上げれば怒りに顔を歪ませたエルルカが未来たちを睨み付けていた。

「私は一度言った願いは必ず叶える。足立瑠花を殺す」

瑠花が怯えた目をし、未来たちは一斉に立ち上がる。そして瑠花を守るようにして立ち、エルルカを睨んだ。